この作品の中核となるアイディアはサイコダイブである。これは、人の精神に潜り込み(ダイブし)、対象の持つ記憶情報を入手すること、対象の隠されたトラウマを発見すること、そこから派生して精神操作まで行うことが可能という技術である。「テレパシーのような超能力ではなく、素質と専門知識をもった人間が専用の機器を用いて行う科学技術である」という前提と、それなしでサイコダイブを行う天才(あるいは異才)を主人公と規定しているところが作品の特徴となっている。
ただし、夢枕獏の作品にサイコダイバーという職業が登場するのは、『魔獣狩り(淫楽編)』が最初ではない。連載開始(『月刊小説』昭和58年(1983年)2月号「女体暗黒祭」)のほぼ2年半前、『奇想天外』昭和55年(1980年)10月号に掲載された短編「てめえら、そこをどきやがれ」に膛馬明(とうま あきら)というサイコダイバーが登場している。
また、1978年に第9回星雲賞(日本短編部門)を受賞した小松左京の短編SF小説『ゴルディアスの結び目』には、サイコダイバーと同じく、コンバーターと呼ばれる機械を用いて被験者の精神に浸透(インベスティゲイション)するサイコ・デテクティブないしサイコ・エクスプローラーという職業が登場している。なお「サイコ・デテクティブ」を自称する主人公が自らの仕事を水槽の汚れを掃除する「潜水夫」みたいなものと説明しているので、夢枕獏の「サイコダイバー」という用語の発想の元である可能性も大きい(「コンバーター」が小松作品起源であることは作者自ら述べている)。
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サイコダイバー 魔性菩薩 (1997年5月21日発売)
発売元:東映 スタンダードサイズ/49分
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スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー:山本又一朗
企画・プロデューサー:丸山正雄、高橋尚子、坂本雅憲
脚本:川村俊明、浦畑達彦
監督・絵コンテ:神戸守
キャラクターデザイン・作画監督:古賀誠
メカニックデザイン・メカ作画監督:山本正文
美術監督:西川涼一郎
撮影監督:斎藤秋男
音響監督:本田保則
音楽:平間あきひこ、SORMA、TA-1
音楽ディレクター:小西香葉
制作プロデューサー:早川光相
助監督:小高義規
制作担当:みながわまもる
制作進行:寺田修司
宣伝プロデューサー:小田元浩
主題歌:「THE END」(作詞:月海猫、作曲:GARDEN、歌:岩男潤子)
挿入歌:「WARFARE-BEWARE」(作詞:月海猫&大橋ユキ、作曲:TA-1、歌:岩男潤子)
アニメーション制作:マッドハウス、スタジオ・ジュニオ
製作:東映ビデオ、フィルムリンク・インターナショナル、グッドヒルヴィジョン
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キャスト
毒島獣太:中田譲治
叶雪:岩男潤子
鮎原京子:藤田淑子
アンジェリカ:高畑淳子
黒岩:糸博
工藤:阪脩
沢田:細井治
殺し屋A:曽我部和恭
殺し屋B:江川央生
ソフィ:田中敦子
ランス:園部啓一
オペレーターA:有沢俊浩
オペレーターB:神谷浩史
機械音声:中村尚子
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